あるおっさんがVAPEにハマった話をまとめてみた(Hatena版)

40歳代後半になってからVAPE(電子タバコ)にハマりかけたおっさんが書くブログ

VAPE定点観測(2020夏)

2018年末くらいに、「ポッドシステム」についての考察を実はしていて、旧ブログに載せようとしていたのだけれど、結局下書きのままで終わってしまっていたのですよ。その下書きをもとに現在(2020年)のVAPEの流行状況も踏まえてちょっと考察記事を書いてみたいな、と思います。

序:2018年末のVAPEビジネスにおける一つのターニングポイント

まずはコレ。2018年12月21日のWSJの記事です。 jp.wsj.com

mybluの国内での発売が始まったのも2018年、最初のローンチは福岡だけだったのだけれど、12月にやっと東京と大阪でmybluの発売が始まった、というタイミング。確かこの記事を読んで考察をしていて、「これからはポッドが来るはずだ」と考えて、たぶんこの下書きを書いた後にmybluを買ったんですよね。ちなみにmyblu、もとはと言えばVAPE機器メーカーをたばこ会社が買収してリブランドしたもの。インペリアルって国内ではあまり有名ではないけれど、ジタンやゴロワーズなどのフランス産タバコや、ダビドフJPSなどのイギリス系や、ドイツのWestなど、タバコメーカーというよりはタバコの広告を出しているメーカー、というイメージかなぁ*1

で、記事に戻ると、「アルトリア」グループがJUULの会社をM&Aした、ということなんですが、アルトリア、日本ではフィリップモリスと言った方がわかりやすいかな。洋モクと言えばフィリップモリスですよ。マルボロとか。だから、この時点では、フィリップモリスが「iQOSの次はコレだ!」、みたいな感じで国内に仕掛けてくるのかなぁ、と思っていたんですよね。

ちなみにmybluとJUUL、そしてその他のポッド型VAPEを比較した動画はYoutubeでも結構多いんですが、この2機種は総じて評価が高いんです。製品としてある程度完成しているからこそ、たばこ会社は小さいVAPE機器メーカーをまるっと買収して開発の「手間」を減らそうとしているんでしょうね。VAPE会社(の経営者)から見ればM&Aによるエグジット、ということ。

破:2019年9月に起こった事件

正直言うと、この頃はあまりVAPEに興味のなかったころで、動きだけはなんとなく追いかけていたけれどきちんと分析をしていなかったという状況なので、今この記事を書きながら過去のニュースなどを見直しているんですがね。

www.businessinsider.jp

きっかけはこの記事を読むとだいたいわかるかと思うんですが。VAPE、特にニコチン、THC、CBDなどの「違法なリキッド」の吸引によって起こされたと考えられる肺疾患で死者が出た、という話です*2。で、アメリカの疾病予防センター(CDC)やら食品衛生局(FDA)やらが調査をして、どうやらVAPEリキッドの「混ぜモン」がヤバいらしい、ということで大統領が「販売規制を推進する必要がある」とコメントしたのが2019/9/11の事。ここで言う「混ぜモン」は、リキッドの主成分たるPG(プロピレングリコール)、VG(植物性グリセリン)以外のモノ。PGもVGもそれ自体、またはその混合物や蒸気化した混合気体についての健康被害は認められていないので、混ぜモンが悪い、と*3

もう一つの考察、これはあるVAPE(リキッド)ショップの記事の受け売りですが。原文はこちらね。

ecigar4jp.com

アメリカにおける大麻合法化という流れがあって、(記事によれば)現状液体のTHCを取り締まることができないから、「混ぜモン」としてTHC成分を含んだものを規制すればいいのではないか、という考察。そういう側面もあるのかもしれませんよね。ニコチン(ニコリキ)もそうですが、VAPEの蒸気であれば簡単に摂取し体内に吸収できるのだろうし、だからこそ乾燥葉の燃焼(紙巻きたばこ/乾燥大麻大麻樹脂)よりも簡単に摂取できるような仕組みは望ましくない、という説は信ぴょう性が高いです。もちろん推測の域を出ませんが。

いずれにせよ、大統領の一言で*4国内の複数の州でフレーバー付きのVAPEリキッドの販売を規制する動きが急激に加速していきます。10月から規制しよう、みたいな感じで。保守的な東海岸の州(ニューヨーク州マサチューセッツ州など)は当然としても、やや開放的な思想を持っているであろう西側の州(ワシントン州オレゴン州)や都市(カリフォルニア州内のロサンゼルスやサンフランシスコ)といったあたりでも規制が入り、特にJUULの本社はサンフランシスコにあったりしますし、VAPE関連企業が販売規制をされることで経済的な打撃も合わせてくらわされる、という状況になり『そうになり』ました。

急:2019年10月に入ってからのVAPE業界

結局、規制をすると言っていた州や都市の一部でも規制の保留申請があったり、渦中にあったJUULがフルーツフレーバー付きリキッド*5入りのポッド販売を停止したりと、政府と業界が双方歩み寄りながら現在に至る、というところなんだと思うんですが、2020年1月あたりで規制が一通り確定し、利用も含めたVAPE規制をする州や都市が確定、業界側も販売の制限(タバコ・メンソールフレーバー以外はアメリカ国内では販売しない)という結論に落ち着いたあたりでコロナ禍でそれどころじゃねぇよ、というのが今の状況なのかな。

たばこ(製品)もそうですが、問題となるのは本来許可されていない未成年がこういう製品(VAPE、タバコ、アルコール)に手を出して、過剰摂取または誤用によって健康被害や死亡事故を引き起こしてしまうということ。年齢制限をしているにも関わらずそれが未成年である者の手元にあるのは買った未成年ももちろん悪いけれど売った「大人」も悪いわけですよ。だから規制が強化されるわけね。ちなみにこの理屈は日本でも同じ(世界共通)だから覚えておきましょう。

日本ではVAPEのリキッドにはニコチンが入っていないから未成年でも吸っていいのか、という話は、VAPEを吸う大人であれば断固「NO」と答えてほしいわけですよ。VAPEは法律で規制されていないから、ではなく、もし仮に未成年がニコリキを手に入れることができたとしたら*6、と考えてほしいわけね。ちょっとポッドの話とずれてきたんで未成年のニコチン話はここまでにしておきますが。

結局、若者を中心にタバコよりも(たぶん)害が少なくお洒落な(英語的に言えば"HipでCoolな")スティック型ポッドシステムは大手のJuul、(my)bluも販売を続けているし、雨後の筍状態で既存のVAPEメーカーや後発組も参入して、いろいろな種類が出てきている、というところが今なんではないのかな、と思うわけですわ。

おまけ

国内の流行を先日訪れた地元のVAPEショップの店員さんの話から少し紐解いてみると、「ポッドもそこそこ人気がある」らしいんです。スティック型のポッドシステムどれでも持ったことがある人はわかると思うんだけど、小さくてそれでいて手の中で存在感のあるデザインだったりするわけですよ。吸ってみても、本格的なVAPEとは比肩しがたいけれど、それでもきちんと煙も出てくれる。まぁ惜しむらくはニコチンが入ってない事くらいだけど、VAPEショップに顔を出すような人たちはニコリキ入りポッドの入手方法くらいわかっているわけだし問題はないわけですよ。多分ね。

VAPEを吸う事自体が社会に認められたかどうかはわからないけれど、俺は確かに(今は非喫煙者だけど≒紙巻きたばこは吸わないけれど)喫煙所に行ってVAPEをぼへ~~~っと吸うことがあるし、VAPEを吸う人たち(VAPERさんたち)ももちろんそうしているんでしょう。そんな中でタバコの煙量と明らかに違う爆煙も居心地が悪いしなぁ、というのが煙量少な目セッティングの流行にもつながっているだろうし、メインのVAPEに対するサブ機としてのポッド(あえてスティック型とは言わないけれど)システムの需要高にもつながっているんじゃないのかなぁ、と思うんです。

*1:20世紀のF1なんかはたばこメーカーがスポンサーになっていて車体にタバコのロゴであったりタバコパッケージカラーそのままの車体カラーだったりしましたよね。A・セナがいたころのマクラーレンホンダマルボロそのまんまだし。

*2:それぞれの「違法」な成分についての健康被害における正当性についてはここでは論じません。

*3:ここでFDAが出てくるわけですよ。VAPEリキッドの販売承認はFDAがしているんで、主成分は問題ないという判断が最初にあったのでそれは問題なくて、おそらく妙な混ぜモンを入れたメーカーが悪いんでしょ、という立場なんだろうな、と邪推しておりますよ。

*4:トランプ大統領だから、ということではなく、あくまでもアメリカにおける現役大統領の権限の強さという理解ですよ。

*5:アメリカでの話なのでニコチンの有無は問わず、というかニコチンを含むリキッドの意味と理解してOKなはず

*6:ネット通販で買えるんだから手に入れることはできない、とは言い切れないでしょうよ。