あるおっさんがVAPEにハマった話をまとめてみた(Hatena版)

40歳代後半になってからVAPE(電子タバコ)にハマりかけたおっさんが書くブログ

月イチ日曜版:BF RBA Head(Joyetech CUBIS用リビルダブルコイル)を使い倒す

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Elysian Apolloのレビューをしたときに、たまたま道具箱に適当にリビルドした状態のモノが入っていたのでそれを使ってみた、という代物ですが、実はeVic Vtwo Miniとのセットで買ったCUBISの付属品として付いてきたものです。

俺はクリアロはこれしか持っていませんが、リキッドが「ジュる」ってしまうのがどうしても好きになれず今までできるだけ利用を避けていた感じがありましたが、件のレビューの時に使ってみて、「意外と使えるなぁ」という印象を受けました。とはいえ実際には少し「ジュる」ってしまうので、対策を講じる必要はありそうです。

どうしても「ジュる」ってしまいます

『スピットバック』とも言いますが、リキッドがコイルで熱せられる時に気化せずに液体のままではね飛ぶ、突沸を起こした状態です。問題はこのはね飛んだ液体のままのリキッドが、気化されたリキッドを吸い込むタイミングで口の中に入ってくること。必ずしも熱い液体が入ってくるわけではないのですが、むしろリキッドを舐めた状態と同じになってしまうことで、気化されたリキッドの味がぼやけてしまうのが残念なわけです。

突沸現象自体はクリアロに限らずすべてのアトマイザーで発生しうる現象ですし、特にRDAでは頻繁にではないにせよ発生し、結構熱いリキッドが口の中に入ってきたりしますし、「パンッ」と大きな音を立ててびっくりする、なんてこともあります。

www.kokusen.go.jp

突沸は液体を加熱することで発生する可能性があるのですから、VAPEの仕組み上発生は不可避、と言えますが、科学的に考えれば理科の実験で試験管の中に入れた液体を熱するときに入れる「沸騰石」や、加熱速度を下げること、液体の粘度を下げること、などなどいろいろあるわけで、VAPEについても科学的なアプローチで突沸回避はできるはずです。

沸騰石」的アプローチ

実はコレ、RDAのウィッキングが一つの解だったりします。ごく一般的なコイルの中にコットンを通すやり方の場合ですが、熱源であるコイルに接触しているコットンが緩い場合は突沸が発生しやすいと考えていいんです。急激に温められたリキッドが「過熱状態」となった場合に、コットンのスキマが大きければ大きいほど、つまり緩ければ緩いほど急激な体積膨張を許すだけの余地があるため、突沸、つまりスピットバックは発生しやすいということになります。

では、隙間なくキツキツで詰め込んだらいいのか、となりますが、そうでもなくて、「気持ちキツめ」くらいがベストです。少し固めにコイル内径くらいの太さになるようにコットンを巻き、コイルに通す。コイル外側はふわっとさせてジュースウェルに垂らす、みたいな感じで普段もウィッキングされているかと思うんですが。

キツ過ぎると、コイルの内側までリキッドが浸透しないのでドライヒットの原因になる、というのはなんとなく理解をされていると思うのですが、少し固めに詰めてあげることで、コイル内部にあるコットンに、リキッドが滲みない空気の細かい層を残してあげることで、突沸時の気圧上昇の緩衝地帯として残しておく、という理屈が成り立つんです。だから気持ちキツめに巻いたコットンって、最初はドライヒットもしないしスピットバックも起こらないんです。なんですが、徐々に(コイル内側にいる)コットンがリキッドまみれになってしまうとスピットバックが発生するんです。その頃はまぁコットンの替え時でもあるんですが。

RDAはこれで解決しそうですが、同じアプローチをクリアロのコイルでやろうとすると、コットンの詰め過ぎによるドローの重さがネックになります。当然ドローができないとリキッドが無駄にコイル内で熱せられてドライヒットにつながるわけです。

クリアロコイルは仕組み上どうしてもジュるりやすい

そもそも、クリアロのコイルは一般的なRDAのセッティングと異なり、コイルを縦に配置し、その外周とコイルユニット外壁との間にコットンを配置するスタイル、チムニー型とでもいうのでしょうか、そういったスタイルで配置されています。リキッドは通常はコイルユニット外壁部に配置されたリキッド吸入孔から浸入し、コイルユニット内にあるコットンがリキッドで浸潤しているのでコイルで熱することでリキッドが気化する、という仕組みです。

前項でも説明をしたように、リキッドが突沸をする状況にいても、その爆発的な蒸発の鑑賞となる場所がコットンの中にあるRDAとは異なり、クリアロコイルは完全にコットンが浸潤している必要があり、*1、更に言えばコイルの内側は気化したリキッド(≒煙)の通り道にもあたるため塞ぐこともできず、突沸が発生しやすい構造になっている、と言えます。

もちろん、リキッドの粘度が低ければスピットバックが発生しにくいわけで、PG(プロピレングリコール)オンリーというリキッドであれば発生比率は下がるはずではありますが、VAPEの特性である「煙」が少なくなってしまうということでもありますし、そもそもPG含有量が多いリキッドって出回ってないですし*2、リキッド側を変えるというアプローチは難しそうです。まぁできるだけPG含有率が高い、といってもPG:VGが50:50くらいのモノを選ぶことはできるかもしれないですが。 *3

ジュるってリキッドが口に入るのだけはやっぱり避けたい

結局、スピットバックの発生が不可避であることは分かったのですが、問題の解決にはなっていません。したがって、スピットバックによって発生する問題点を回避するという方法での問題解決を図ることになります。

使用前後にコイル内の余計なリキッドを除去する、という方法がネットで紹介されていました。これは「予防」という点ではもちろん有効だと思いますが、まぁ面倒ですよね。コイル内に液体として残存するリキッドを「吹く」ことでコットンに戻すとか、まぁ簡単だとは思いますが毎度毎度そんなことできないし、吹いたところでスピットバック現象自体は起こるわけです。使用前後にコイル内の残存リキッドを拭き取るとかいう方法に至っては、お手軽さのかけらもないわけです。そんな面倒なことをしてまでVAPEをしたいのか、って話で。

物理的にスピットバックによって跳ね上がったリキッドが口に入るのを回避できればいいのであれば、液跳ねを防ぐ機構をまずコイルユニットからドリップチップまでの間に仕込めばいいはずです。と言っても実はそういう機構は実装済みで、マウスピースを差し込むパーツはコイルのスピットバックによる液跳ねの直接的な防止にも寄与しているはずですが、もともとはコイルで熱せられた煙の冷却という目的を担っているため、ここからリキッドが再液化してしまうというジレンマを持っているわけです。とはいえ、ここにリキッドが飛び跳ねることを防止できる何かを、と考え、まず手始めにコットンの端切れをこの部分に軽く詰めてみました。

ちょっとドローが重くなりますが、悪くありません。純粋に美味しい煙だけが口に入ってきます。ただ、最初の2口程度で、そのコットンの端切れがかなりの湿り気を持ってしまい、急激にドローが重くなります。スピットバックによるリキッドもそうですが、上記の通り煙の冷却による再液化もこの機構内では起こっているため、その分のリキッドもこのコットンに滲みてしまい、一気に目詰まりを起こしてしまいます。

似たようなアプローチとして、ドリップチップ部でスピットバックによる液跳ねを防止する方法があります。上記のコットン端切れの代わりに、ドリップチップの接続部にスクリーンを用意して、そこで液跳ねをガードする、という方法、そしてもう一つが液跳ねが物理的に口に届かなくなるように、ドリップチップの長さを長くしたり、直線的でなくする方法です。煙が程よく冷却されるので、より雑味のないリキッドの気化された味や香りが感じられるようにはなると思います。

堂々巡りの対策

そうは言っても、結局は徐々にコイルユニット内にはリキッドが溜まっていく仕組みですし、それを排出するためにはコイルを炊き続けるか、ひたすら「吹き戻す」か、または拭き取るかという方法しかないわけです。だとしたらやっぱりもとに戻ってスピットバック自体の発生を抑える方法を考える、またはスピットバックしても液跳ねが最小限で抑えられる方法を考えるしかありません。

先ほどコットンの端切れをマウスピース近辺に設置しましたが、これをコイルユニット内、アトマイザーとの接続部にほんの少しだけ詰めてみます。うんうん。ジュるってはいる*4のだけれど、スピットバックが口に入ることはないかな。ドローが多少重くなっていますが仕方ないかな。

もう一つの方法として考えられるのは、そもそものコイル配置方法を変える事。リビルダブルコイルですが、必ず縦にコイルを置かなければだめ、ということではありません。RDAで行っているような横置きコイルで試してみればいいんですよね*5https://www.youtube.com/watch?v=t984nICgheA

コイルの置き方、という話で言えば、こういうスタイルもあるようです。 https://www.youtube.com/watch?v=gpmHCvBN0Qw

そもそもの話

クリアロにコイルユニットをセットして、リキッドをタンクに入れてしばらくすると、タンクの外側に見えているリキッドの高さと同じ高さにコイルユニット内のリキッドが充填されるような気がします。物理的な話です。えぇと、この辺の話、と言えば分かるかなぁ。 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%91%E3%82%B9%E3%82%AB%E3%83%AB%E3%81%AE%E5%8E%9F%E7%90%86

タンク内の気圧はタンク外、つまり外気と同じですから、タンクにリキッドを注ぎ入れてしばらく放置していたらコイルユニット内もタンクの高さと同じところまでリキッドが満たされるはず。とすると、タンクの中にリキッドがいっぱい入っていればいるほど「ジュる」る可能性は高くなるはず。特に、Joyetechの使い捨てコイルはリキッドの入り口が大変小さく、しかも下からの供給路しかなく、そういう意味では供給路の少なさでジュるってしまう確率は低めですが、リビルダブルコイルユニットはリキッド供給が横からも行われるわけで、コイルユニット内にリキッドがより多く浸潤しやすい構造になっているはず。

だとすれば、縦型のコイル配置でコイル内部にスキマができている状態であればリキッドがそのまま突沸しやすいので当然スピットバックも飛び跳ねやすい。横置きにし、かつコイルの上にもさらにコットンを載せるようなウィッキングをすれば、おそらくスピットバックの発生は軽減されるはず*6。エアフローがどの程度制限されるかが問題かな。

テスト1:縦型コイルのスキマにコットンを詰める

まずは安直に、現状のコイルからスピットバックの排除を前提に、コイルの内側にある空きスペースにコットンを詰めてみます。先述のように、空気の通り道が一部遮断されてしまうので、ドローがかなり重くなります。かなりMTLな吸い口で音は相変わらずジュルジュル言ってますが、スピットバックは皆無。コットンの巻き方を少し考えれば改善の余地はありそうですね。例えば、コイル内径を少し太めに設定、外周のコットンを固めに巻いてリキッド浸潤をあまりさせないようにして、更にコイル内側のコットンは柔らかめに巻いておくとか...。ちょっと理にかなってない感じもしますが。

スト2:横型コイルのセットアップ模索

このテストも安直にコイルの横置きがどの程度状況を改善できるかという確認のために「なんとなく」セッティングをしてみた感じですがかなりジュルジュルします。しかも、スピットバックは多め。コットンの密度を意識していませんが、あまり密度を高くしていないのでリキッドをより多く保持してしまっているのかな、と感じます。だとすれば、ユニット内に必要最低限のリキッドだけが入るようにウィッキングを工夫すればよさそうです。かなりキツめに詰めてみたいのですが、横置きでの配置であればやりやすそうです。

結論

と言って最近はPOD系の手軽さに甘えていてRBAすら使っておらず*7、いいセッティングを探す旅には出られません。折を見て徐々に進めていこうと思っています*8

余談(というか実はこれが解決策?)

水曜日のポストでSmoant Pasitoのコイルユニットについてレビューをしていたりするわけですが。

このコイルもご多分に漏れずそこそこの頻度でスピットバックを起こします。例えば朝イチとかに吸おうとしたら「ジュる」っと来るのですが、慌てずに一度コイルを外し、リキッドから出してしまいます。そして、コイルの中の残余リキッドもティッシュを紙縒り状にして差し込んで取り除くのですが、コイルの外周をティッシュでくるんであげて、コイル/コットンの中に入っている余計なリキッドも取り除いてあげます。10分~30分くらいそのまま置いておくと、ティッシュにはかなりの量のリキッドがしみこんでいるはずです。多少乾いた状態ではありますが、そのままセットアップして、1~2分もするとリキッドはコットンにしみこんでくれるのでわりとすぐに吸うことができたりします。

何かの参考になれば幸いです。

*1:湿っていなければドライヒットにつながります。だから新品のクリアロコイルはリキッドに浸してからしばらく使えないんですよね。VAPEの常識の一つです。

*2:PGアレルギーの人もいるらしく、VGオンリーというリキッドは売ってますが、PGオンリーというリキッドはたぶん自作用の「素材」としてしか売ってないのでは...。

*3:余談ではあるのですが、加熱速度の調整というのもVAPE、というかMODの特性上難しい気はします。例えば断続的に加熱のON/OFFを繰り返して『過熱』状態を回避する、という仕組みをテクニカルMODで実装させることは物理的には可能だとは思いますし、メカニカルMODであれば自分でボタンを小刻みに押したり離したりを繰り返す、というやり方で過熱を避けることは可能かもしれないですが。

*4:正確に言えば、相当なジュルジュル音がしています。

*5:先日買ったSMOANTのPasitoのリビルダブルコイルは横置きのコイルセッティングを想定した作りとも思えます。デッキの形はRTAっぽいですし、おそらくはコイル縦置きでもいいでしょうが、横置きの方がしっくりくる形ですよね。

*6:同様の考え方は縦置きでもできて、この場合は縦置きコイルの外側だけでなく内側にもコットンを詰めるという考え方。

*7:こういう時に「仕事で忙しいんだよね」というアピールができれば大変結構な話なのですが...。

*8:仕事ブログでよくやるパターンで大変恐縮です。